よく怒りに対して言い訳するなと言われますが、実は言い訳は怒りの大好物だったのです。

怒りの大好物
怒りの対象相手の言い訳
 
怒りのピークは6秒間!
怒っている人の感情のピークを維持する燃料が6秒分なのだと考える!
いったんは落ちつきます。
 
言い訳という大好物を与えると、怒りは継続し、増幅。
燃え広がる炎ほど消火の難しいものはありません。消そうとしながら、燃料を与え続けていては、ずっと収まることはない。

問題点の説明を「言い訳」と取られた
 こんなケースがありました。
同僚と上司がチームを組んだ案件で、2人が提案した事業計画書を見た社長がすごい剣幕で怒っていると連絡をもらった時、担当の2人は出張中でしたが、提案内容は、会議で共有していたので概略は把握していました。
 取りあえずのお詫びと、問題点の情報を得ておいた方が2人が戻ってからの対応も早いと考え、取引先社長に電話をしました。
社長は電話口ですごい剣幕で怒っていたそうです。
何で担当者が電話をしてこない
 (すみません。2人とも出張中のため、私で対応可能なことがあれば…)
 何だ、この提案書は!
 (何かご希望に添わない点があったのでしょうか?)
 会議で私が頼んだソリューションとは、違う物が入っている。どういうことだ
 
説明モードに入ってくれたので、事務的に要望を整理していけば、怒りは収まりそうだと、同僚たちが先方の要望に加え、同様だが最新の汎用性が高いソリューションも参考に加えたことを知っていたので、説明しました。
 どうして私の要望通りにしないんだ!
 (その件でしたらご説明いたします。実は、ご要望の効果に加え、さらなる利便性のあるソリューションがございまして…)
 そんな言い訳はいい!!電話で言い訳して済むことじゃないぞ!!
 
当初の倍ぐらいの怒りの爆発になりました。
 その後、担当者が何度出向いて説明しても怒りは収まらず、かなり上職による謝罪と仕切り直しの再提案で何とか事業は継続しました。
 
相手の怒りの理由は相手の中にあります。相手を変えることは難しいし、できません。
 相手の怒りが収まる瞬間に、発火スイッチを再度押してしまっている。
 
怒りは言い訳を燃料にします。
説明で理解を得ようとしただけで、言い訳をしてごまかそうという気はまったく無くても、怒りは相手の説明を言い訳だと認識し、新たな怒りの燃料にするのです。

怒る相手の気持ちに寄り添うことが大切
発火点には出来事と気持ちの2つがある
 
提案書を見た時に、社長の中では次の2つの気持ちが心の中に生じています。
 
①自分の要望ではないことが提案書に書かれている腹立たしい気持ち
出来事から生じています。
 
②つき合いが長い取引先なのに、自分を理解してくれていない残念な気持ち
こちらの気持ちが怒りの背景にある発火点です。
 
消火活動?
②の残念な気持ちに向けて行わなければいけなかったのです。
 自分を理解してくれていない残念な気持ちが怒りに変わる時。
そこには理解してほしいという欲求があります。
承認欲求の一種
 理解されたいという承認欲求が満たされないまま、言い訳に聞こえる説明が返ってくると、まったく理解する気がないじゃないか、こっちが間違っているとでも言いたいのかと怒りがエスカレートしていくのです。
 
相手の怒りの継続や増幅が①出来事で説明できない時は、
②気持ちの発火点を探ってみる。
よく共感しましょうと言われるのは
②のことです。
②は根底にある本当の気持ちです。
 
実は、提案内容以前に相互理解への不安があるのでは?
社長は、自分の要望の出し方が分かりにくかったから違う提案が来たと引け目を感じているのでは?
などと想像し、見立てるのです。
 
1、今までの関係性からは考えられない相手の突然の怒りに遭遇した
 2、双方の限定されたやりとりではなく、周囲にも影響を及ぼす怒りが広がっている
3、いつもは冷静、事務的なのに、感情的な口調になっている

耐えるのではなく、理解を示し共感を得る
 
相手の怒りの発火点は、
残念な気持ち→理解されたい→承認欲求
この場合、経緯の説明は逆効果です。
ここで使うのが起承転結法の承の術
怒りを受け止めて、流し去る。
まずは、謝ること
①出来事と②気持ちへの両方への謝罪
 
この度は、社長のご要望にない提案を一方的に加えてしまい、不愉快な思いをさせてしまいました
①出来事に対しての謝罪

長いおつき合いをさせていただいているにもかかわらず、落胆させてしまい、申し訳ありませんでした
②気持ちに対しての謝罪
 
ここで説明を加えると、言い訳になってしまうので要注意
火の手に放水を続ける気持ちで、ひたすら謝ることに徹しましょう。
 
しかし、ただただ耐える、というような消極的で受け身な対応は、自分自身をさらにつらくさせるだけですし、相手の気持ちとの距離を広げてしまいます。
 
積極的、能動的な姿勢を示すことで、怒りの意味をこちらも共有しているという理解を伝えるのだと考えてください。
 
自分が理解されていない残念さが、理解されているという共感に転じると、今度は積極的に意見に対して聞く耳を持てるようになります。
 
承の術を極めれば、相手とのコミュニケーションの回復が可能です。
 承の術は受け止めると受け流すを使い分けるものです。
 受け止めることが難しい場合は、謝罪を重ねてやり過ごすだけでも消火活動としては十分です。
 
中には、きつい表現での罵倒、ネチネチした嫌みなど、その先に建設的なコミュニケーションが望めない相手には、ただ聞き流す、受け流すに徹してもいいのです。
 
相手の気持ちを見極められたら、聞き流しから一転し、感謝を伝えるのも効果的。
 ご指摘で気付くことができました、他でも同じことをしていたかもしれませんなど、相手が嫌な思いまでして自分を怒ってくれたと感謝を伝える。
 相手は意表を突かれ、冷静になると同時に、嫌悪感から救われることに感謝し、転の術にも通じます。