管理職には、現状維持バイアスと集団心理を踏まえた、リーダーシップが望まれる!

組織にはヒエラルキーがあり、会社には社長がいて、役員がいて、部長がいて課長がいます
現代では個人の発信力が高まり、リーダー+フォロワーという構造が弱まっています

チームには、さまざまな心理作用が働き、上司がよかれと思って目標達成に向けて部下を鼓舞したり、新たなチャレンジを促したりすると、部下たちの間で火種がくすぶり、不満が蔓延することも
集団には、現状維持バイアスという心理作用(心理学・経済学的観点から人は新しい選択肢を回避する傾向がある性質を指した言葉)が働く
新たな選択肢に対して、失敗を恐れる心理が敏感に働き、より一層現状維持バイアスが強まり、この循環で、変化を拒む体質が根付く
変化への拒絶には、潜在意識に変化への恐怖があることも影響し、太古の昔、生きながらえるためには、大雨も降らず、獣に襲われることもなく、昨日と変わらない今日を同じように迎えることが最善だった頃の名残

人間は集団になった途端、変化をより強く拒むという性質について考察しており、変化を与えられる者にはとくにこのバイアスが強く働く

チームは一度作ったルールを変えたがらず、それを変えようとするリーダーに対しては現場のことがわかっていない、勝手に決めつけると静かに反旗を翻す
反旗があからさまに翻ることはなく、背景には、部下たちが有する受け身の攻撃性があります
部下は上からの指示に対してはいと答えながら、内心でリーダーを厳しく採点します(受け身の攻撃性)と呼ばれる心理で、敵意と否定を微笑みに包み込んで隠す(おとなしいようですが、紛れもなく言葉にならない攻撃)
ある部下がリーダーに敵対心を抱くと、チーム内でそれが瞬く間に広まり、(集団心理)の作用によって、感情が同一組織内でウイルスのように感染する
集団の中で個人は変わり、育ってきた環境や教育によるその人らしさが、集団の中ではぼやけてしまう
個性が薄まると、集団全体の性格のようなものが形成され、個性が消え、自分で判断しなくなり、暗示されやすく流されやすくなる(チームの人たちが同じような感情になったり、考え方が似通ったりする)
集団は真理を追究するよりも、錯覚を求めて、正しさは二の次、三の次です
・個人としては賢い人が、なぜかカルト宗教の教祖に従ってしまう
・常識的だった市民が、危険な政治思想の指導者に熱狂する
・思慮深い社員が、社長の命令で賞味期限切れの食品を出荷してしまう

リーダーが論理的には正しいことや正論を言ったとしても、受け入れられず拒絶されることがあるのは、集団心理による作用が大きい
3つの集団心理が強くなる要素
1、グループのメンバーが似たようなバックグラウンドを持っている
2、外部の意見を取り入れない
3、意思決定のためのルールが定まっていない

3つの条件に当てはまった集団は個人の見解をなくし、集団心理にとらわれやすくなる
日本企業は
・圧倒的多数が日本語を話す日本人
・大多数の社員が大卒者で似たような選択肢の中から就職
・育った環境の差も小さいケースが多く、似たようなバックグラウンドを所有
・会社に対する帰属意識がまだまだ強い傾向
・積極的に外部の意見を取り入れない割合も高く、コンサルタントなど外部の意見を求める機会は非常に少ない
・なんとなく前例どおり、社長の鶴の一声でと意思決定のためのルールが決まっていない

世界的に見ても、日本組織には集団心理が働きやすい土壌が備わり、無策に変化を求めるリーダーは静かに牙をむかれる

意識高い系リーダーはある種、必然的な存在
・彼らが生まれる要因に役割性格(社会的な自己、上司としての自分、営業としての自分、父親としての自分)という役割が大きくなってしまった状態を表す用語
・昇格した途端、急にボスのように偉そうに振る舞う人は珍しくない
・人は役割を与えられるとそれに性格や言動を合わせようとする性質がある
・ポジションの高いリーダーは役割性格にとらわれやすく、自己評価が現実と乖離しやすいことを理解しておく必要があります

集団の心理とは、人間最古の心理であれ、人類が洞穴で暮らしていた頃から集団心理は存在していた
チームの性質はかなり普遍的なものといえ、集団心理そのものをなくすことは難しい

チームとリーダー、両方の心理傾向を踏まえたアプローチ
リーダーという立場になった際、役割本意で行動してしまいやすいこと、そしてチームには現状維持バイアスと集団心理が働いていることをまずは頭に入れておくことが、息の長いチームリーディングを実現するうえでは欠かせない